ドットのどくご

いつもほんまにありがとうそばにいてくれて

おかぁの8BEAT

今のこの世界の状況に伴って言われてきた不要不急とか自粛とかはちょっとおさめていただいて、この記事は丸ちゃんのことが大好きな、わたしの母の冒険日記として読んでいただきたい。

 

母はちょうど1年前手術をした。そこに至る過程は割愛。

 

そのあとに続いた治療で髪が抜け、蕁麻疹や浮腫みなど重篤ではないけれど次々現れるあれこれに悩まされ、体と心の乱高下になかなかに四苦八苦することになる。母も、わたしも。

 

夏、そういった諸々の副作用が現れる前に安田くんの舞台「リボルバー」を観劇できたのはだいぶ有難いことだった。わたしとしては体調のことが心配だったけど、それにも増して安田くんのお芝居を観に行きたいという気力があったこと、それを伝えてくれたことがうれしかった。実際に現れるであろう具体的な症状は未知でもだいたいどんな治療経過を辿るかは予測していたので、そうなる前のお楽しみとしての観劇。そのあとは全部元気になるまでおあずけという心持ちだった。本当に、安田くんのお芝居にものすごくエネルギーをもらったと思う。わたしは劇場の駐車場で待っていたのだけど、戻ってきたときの母の満ちた表情が忘れられない。観られてよかったって心から思った。

 

エネルギーはしっかりもらったけれど、そこからやはりなかなかにきつい期間となった。その間、心を寄せて見守って支えてくれた人たちがいて、わたしは本当に有り難かった。ありがとう。そうしてやっと治療を一通り終えた。終えたのに、それまでなかった症状が出てくる。なんで。あとはよくなるばっかりじゃないの。いつまで続くの。そして当然だけれどすぐには元に戻らない体力。気分が落ち込む日も少なくなかった10月の終わりに届いた、KANJANI'S Re:LIVE 8BEAT 宮城公演復活当選のメール。

 

体も心も低空飛行になりがちなところにしっかり落選してなんかもういやな気持ちを持て余しまくっていたけれど。まさかの復活当選。俄然母の気力スイッチが入った。ぱんぱかぱんの足をしてふらふらだったけど。

 

向こう在住の友達にも会えたらと申し込んでいた宮城。

母の故郷の北海道から高校時代の別の友達も、母に会うためだけに飛行機に乗って宮城に来てくれることになったらしい。

久しぶりのお出かけだからと黒のワンピース、丸ちゃんに見つけてもらえるようにと鮮やかなピンクのカーディガンを買ってファッションショーを開いている。…オレンジじゃないんだ。

髪の毛がなくなった頭の防寒用に朝から晩まで被っていた毛糸の帽子が毛玉だらけだからと新しい帽子を編み始めた。

いつかの誕生日プレゼントにあげたけど、しばらく部屋のオブジェと化していたバランスボールに座っている。体力をつけるんだって。

ある日美容院に行くと出かけて行った母。髪の毛ないのに??と思っていたら顔のエステを受けて帰ってきた。

 

関ジャニ∞ってすごい。

 

丸ちゃんってすごい。

 

関ジャニのライブがあるから、をおまじないに頑張れたことがたくさんあった。それはずっと。すごいおまじないなんだってものすごく実感した。そんなふうに毎日が過ぎ、長々と悩まされた症状たちもようやく落ち着いて体力も戻ってきた年明け、いよいよ宮城へ。

 

無事にお友達の方々ともそれぞれ会うことができ、ドライバーとしてお供していたわたしは女子高生たちを見守る保護者だった。

 

あの頃に一気に戻れるってほんとだよね。

 

とてもうれしそうだった。

 

とても楽しそうだった。

 

わたしもうれしくて楽しい気持ちになった。

 

微笑ましかったな。

 

夜、ホテルでしみじみと母が言ってくれた「ほんとありがとうね」がなんだか沁みた。

 

翌日。さぁ、ライブ。母、十五祭以来のライブ。

 

発券されたチケットをふたりで覗いて小さく悲鳴。アリーナだ。会場のブロック案内をみてお互いの腕を掴む。一番前のブロックだ。席を見つけて顔を見合わせる。花道すぐ横。前から2番目。うそみたい。もう楽しそう。そりゃそうだ。これは昂る。母、席についてから開演までお手洗いも行かずにずっと嬉々として座っていた。

 

そして始まったライブ。

 

あんまり前すぎて逆に見えないかもね、なんて贅沢なことを言っていたら8BEATの鼓動からででんとモニターいっぱいにRe:LIVEの文字、そして本当に目の前真ん前に立っていた横山くん。

 

母と肩を寄せ合って固まった。そこから先、ライブ中はわたしも正直母どころではなかったので母の表情は見ていない。でも楽しんでいたのはよくわかる。

終演後、母の第一声は

 

はぁぁやっぱりかっこいいわ!!!!!

 

でした。

惚けて力が抜けるというよりか本当にエネルギーをぶち込んでもらったという感じで駐車場への足取りがめっちゃぐんぐんしてておもしろかった。横山くんあんなシュッとして、ねぇ〜めっちゃかっこいいわ、大倉くんの最後の衣装すごいいいわすごいかっこよかったあれはどこぞの国の王子様だわ、村上くんすごい歌よかったそりゃ泣けちゃうわ、テレビであんなんして本物やっぱりかっこいいわ、安田くんほんとすごいわ全部かっこいいすごい、丸ちゃんほんと、、丸ちゃんはほんと、、やっぱり丸ちゃんだわ、丸ちゃんいい、、って。かっこいい何回言ってたかな。丸ちゃんには語彙失ってたな。かと思えば帰りの車中、余韻にひたひたになって急に「楽しかったなぁ、、、」ってしみじみ呟いてる。こどもみたいでかわいいな、とミラー越しの母を覗いたら寝落ちしている。

こどもやん。

そしてそのまま母は空港まで一眠り、飛行機を待つ間にオーラス配信を途中まで観て無事に家まで帰りつきました。

 

 

ほんとにうそみたいな時間だったな。

 

 

ちなみに母、2月には丸ちゃんのヘドウィグを観劇することもでき、ピンクのカーディガンの季節が過ぎたと思ったらいつの間にやら帽子を脱ぎ去り、生え揃ってきた髪をピンクに染め、元気に過ごすためにフィットネスに通っています。まだまだ体力に自信はないようだし、日によって気分の変動を感じることはあるけど、そこは病気のあるなしに関わらず多かれ少なかれみんなにあることだしね。

 

5月にはそのKANJANI'S Re:LIVE 8BEATのBD/DVDが発売。なかなか腰を据えて一緒に観る時間がとれなかった数日、私の顔を見るたび「お母さん早くみたいんだけど」と言ってくる。そして、やっっっと観れた。やっぱり映像を観るとまた記憶が蘇ってくるようで、ほんとにものすごいかっこよかった。かっこいいわー。画面でみるより本物はもっと本当にかっこいい。とライブ直後と同じようにかっこいいを連発していた。いつもは夜な夜なごそごそ夜更かしなのに鑑賞後は早々に風呂に入って寝た。満たされたんだね。心も体も健やかでなにより。

 

推しの存在って偉大だなぁと改めて思う日々です。

 

ありがとう関ジャニ∞、ありがとう丸ちゃん。

 

“元気があってもやれることとやれないことがある”という言葉に何度も掬われてきた。本当に、“元気があってもやれることとやれないことがある”、けれど好きな人にもらった元気があったからやれたことが絶対にあったし、もらった元気のおかげで今もやれていることが確かにある。だから、やれないことがあっていい、元気でいられることって大切。元気でいられるほうがいい。もちろん元気のもとは推しだけではないし、推しのことで心がキュッとする日もあったりするんだけど、でもやっぱり元気でいることの手助けをしてくれる推しの存在は本当に有難い。

 

それでも一番に自分をケアできるのは自分自身。これを読んでくださったあなた、乳がん検診や子宮がん検診、受ける機会がなくてもどうにか一度機会を作って受けてね。健康診断や人間ドックもだけど、自分の身体でなんだかいつもと違うな、おかしいなと思うことがあったらお医者さんにかかってみてね。きっとね。

 

また元気に会えますように。