ドットのどくご

いつもほんまにありがとうそばにいてくれて

鍛冶屋さんが作ってくれたラブソング、あなたは勇者。

 

 

 

「ムーンライト」

*1

 

 

この曲が流れるたび、確かにこの目でみた跳ね回る重岡さんの姿が思い出されるし、みんなが熱く歌う姿を脳内に描いて胸がはち切れそうになる。

 

好きだ。

 

なんだかしばらくあまり芳しくなかった自分のからだの調子や諸々の人間関係、お天気の具合もあってか気分が落ち込み気味だったある雨の日。

 

重岡さんは快晴の日に似合う曲と言っていたけど、なんとなく聴きたいなと浮かんで再生したムーンライト。

 

涙が止まらなくなった。

 

なんでこんなに、ぼろぼろ涙が出てくるのかわからない。初めて聴いた時から、あーー重岡さんらしいな、いい曲だな、と思っていたけど時間が経つほど聴くたび胸のまんなかに沁みてくる。彼らから発せられるとてつもない熱量を体感してからはなお。それでも今このとき具体的になにが自分の琴線に触れて泣いてるんだかわからない。

 

 

定期的か不定期か、なんでなのかもよくわからず気持ちがぐらぐらすることがある。普段はへらへらハッピーに過ぎていってなんともないことがトゲになって刺さったり澱のように自分の中に溜まったり。仕事でも家でも余暇でも、わたしが関わることで相手の何が変わるんだろう、そもそもそんなん烏滸がましい、意味のあることできてるんだろうか、意味のあることってなに?たいして大変な思いもせず、こんなふうに惰性で続けていていいのかな、みんなキラキラしてていいな、こんなテキトーな毎日でいいのかな、もっと積極的に取り組まなきゃ、このまま歳を重ねてどんなふうになるんだろう、いつかひとりに、いやいまもひとり?だらだらと好きを享受してしまっているだけでいいのかな、今抱えてる好きが行き場を失ってしまったらどうなってしまうのか、、、孤独、虚無、無為、、冷静に傍からみたらそう気にしなくてもいいこと、考えなきゃいけないけど考えすぎないほうがいいこと、落ち込む必要のないようなことが溢れてきてその大波に飲まれてぐるぐる巻きに絡まれて真っ暗な場所から抜け出せなくなる時がある。ままある。にんげんだから。

 

 

そんな心情の時のムーンライトは、大人になったってずっと青春してようぜ、みたいな感じでわたしにはすこし眩し過ぎる気もする。

 

でも、

 

ラブソングかもなコレ

あなたが暗闇と戦える曲になりますように

 

と言ってくれていたから、

 

真昼間の月に種を植えてみたくなったのは

いつか君を襲う夜の底 一輪の光を

 

そういってきっと種を植えてくれたから、

 

皆さんが日常に潜むモンスター達と戦うために、えっさほいさと剣や盾を作ってる。

でも本当は勇者になりたい。

差し上げたその剣や盾でモンスターに打ち勝ってくれれば僕は本当の勇者になれる気がする。

 

そう溢してくれたから、

 

 

うん。

 

 

わたしにとってのモンスターがなんなのかはわからないけど、ムーンライトはわたしを覆う正体不明の虚しさとか漠然とした不安みたいのをはがしてくれるんだと思う。真っ暗な夜からだんだん日が昇っていく夜明けの空のようなグラデーションの色をつけて。また夜になったとしても。

少し強引なくらいに力強くてどうしたって歩みを止められないような、とても前向きに刻まれているリズム。それが進め進めの号令でありながら、このままでもいいと言ってくれる、わたしを肯定してくれる頷きみたいに感じられたりもする。

大人になってもずっとずっと少年の心のままでって変わらない良さを大切に握りしめ、変わってたまるもんかという強い気持ちと、変わらないままでもいいんだよ、今のままでいいんだよっていう、似ているようで違う「変わらないこと」を認めてくれる懐の深さを感じる。not yetという言葉に優しさを感じたのははじめてだった。

みえないくらい小さくなってプチってつぶれそうな心をほわんと包んでくれるひだまりみたいな、ぐらぐらしないで立っていられるためにどんとそこにいてくれる地面みたいな、太陽じゃないけどあったかくて光だけど質量がある、そんな曲。

おかげさまでちょっと体を起こして進んでみようかなって栄養たっぷりのガソリンを注入してもらったみたい。挿したら根っこが生えて育っていくような勇気の葉っぱを1枚もらったみたい。そんな気持ちになれる曲。

 

今までにもわたしをすくってくれたお助けソング、お守りみたいに大事に抱えてる大切な曲はたくさんある。ふとした一瞬、歌詞の一節が心に響いて涙を流してほっとして、って。ムーンライトにももちろんその一面があって、だけどそれ以上に彼らの歌声に、音にすくわれたような気がする。なんだかこの曲に込められた重岡さんの心意気にすくわれたような気もしている。

 

心意気。

先日発売されたOggi6月号でのインタビュー。「俺がめっちゃいいって思ったらきっとどこかの誰かも共感してくれる」の「きっと」。ライブで「僕らの理由」歌唱中、“一回くらい挫折をしたってさ 一生が失敗なわけないだろう”に続けた「たぶんそうだよ」の「たぶん」。

たぶん。きっと。

太陽を人間にしてみました、みたいな姿のなかにやっぱりどこか儚さ脆さを感じさせる彼は、そうやって自分を奮い立たせながらえっさほいさと鍛冶屋さんとして頑張ってくれてるんだな。

 

たしかにムーンライトはわたしのお助けソングに仲間入りしてくれた。

 

以前、シングル「サムシング・ニュー」発売に合わせて綴られた重岡さんからのメッセージは

 

助け合って生きていこうぜい!

今日も一緒にがんばっぺーーー!!!

オラーーー

 

で締めくくられていた。

 

助け合いだなんて。いつも助けられてばっかりです。

 

あらためて、素敵な曲をありがとう。

 

あるひとつのアイラブユーをありがとう。

 

 

*1:ジャニーズWEST シングル「サムシング・ニュー」通常盤収録、作詞作曲 重岡大毅